01年9月(ごろ)の1冊!
『A Good Day for Soup・スープに良い日』、
この1冊には忘れられない“過去”があるのです。


英語版で刊行されたこのタイトルを一目見て、私たちは“……出す!”というぐらいの一瞬で、日本語版の出版を決めたのでした。なぜ? だって、あのわら半紙のような紙で、ふっくらぶ厚くて、2色刷りで、しかもちょっぴりバウハウスの流れを汲んだようなデザイン、しかも、テーマはスープです。

このように淡々とレシピが続くさまを、
ある人は“レシピの海”と形容しました
……ちょっと大げさ?
で、そのころ訪れた書店さんで、“新刊の予定は?”と聞かれ、得意げにこの本のことをしゃべると……“写真がない? そんな料理本、売れるわけないじゃない!”といわれ、“え、そうだったんだ!”と思いはしても、時すでに遅し、半月後には製本された本が到着します。いや、そんなはずはない、私たちがよいと思ったんだから、きっと売れる……にちがいない、売れるといいな、売れるよ、きっと……と、悶々として発売日を迎えたのでした。

発売後は、おそらくみなさんご存じのとおり、ながらくロング・セラーとして愛されつづけて早5年。さすがに夏場はヘコミますが、秋から冬にかけて、活躍の時期が毎年やってくるのです。

いまだから、はっきりいえること、それは、ある種のクックブックは、“読み物”として成立しうるということ。つまり、実際に材料をそろえて“実行”すること以外に、読んで、できあがりを想像する……そういう“読み方”があってもいいじゃない……(失敗しない)レシピがいっぱい載っているという以外にも、クックブックを評価する“ものさし”はあるんですね。

まして相手はスープです。仮に写真を撮ったとしても、大半がどろっとした褐色の液体……そんな結末にならないともかぎらないわけですから。
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